ツリーマップとは、Webサイト内にあるどのページがページビュー数が多いのか、コンバージョンに寄与しているのかを視覚的に把握できる表示形式です。「どのページから施策を行うか」という優先順位を決める場合にも役立ちます。
ツリーマップ(α版)のご利用をご希望の場合は、当社の担当コンサルタントにお問い合わせください。
目次
おすすめのツリーマップ活用例
ツリーマップ(α版)には「ツリーマップ:CVR」と「ツリーマップ:離脱率」の2種類があります。「ツリーマップ:CVR」は、コンバージョン率が高いページほど濃い緑色で表示されます。どのコンバージョンを計測対象にするかは、任意で指定可能です。「ツリーマップ:離脱率」は、離脱率が高いほど濃い赤色で表示されます。
2つのツリーマップは、具体的にどのように施策に活用すればいいのでしょうか? 決まった見方はありませんが、おすすめの活用法をいくつかご紹介します。
例1:ページビュー数が多いページに施策を当てる
長方形が大きいページを確認して、ページビューが多いページから施策を当てる、というのは定番のひとつです。同じ改善施策を行うにしても、ページビュー数が多いほうが多くのユーザーに影響を及ぼしやすいからです。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、例えば多くの人が訪れるトップページで、ユーザーの目的に合ったおすすめのページを案内するシナリオが有効です。Sprocketのシナリオが設定されているかどうかは、長方形が青枠で囲まれているかどうかで区別できます。
例2:ページビュー数が多く、コンバージョン率が高いページに施策を当てる
ページビュー数が多くても、コンバージョンとあまり関係がないページの場合、改善してもWebサイトの成果に影響を与えない可能性もあります。その場合は、長方形が大きく、コンバージョン率の色が濃いページを探しましょう。そのページに改善施策を行うことで、Webサイトの成果に直結する可能性が高まります。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、コンバージョン直前で離脱につながるフリクション(引っかかり)ポイントがないかを探し、そこに手を当てるシナリオが有効です。例えばECサイトで、購入直前に送料や返品が気になってカゴ落ちしている人が多いなら、その不安を解消すれば売り上げに直結します。
例3:ページビュー数が多く、コンバージョン率が低いページに施策を当てる
逆に、ページビュー数が多いのにコンバージョン率が低いページを狙う考え方もあります。コンバージョン率が低いということは「伸びしろがある」と言い換えられるので、最適化に成功すればWebサイトの成果を伸ばせるかもしれません。この場合は、長方形が大きく、色が薄いページを探します。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、そのページからコンバージョン率が高いページに誘導するシナリオが考えられます。訪問したユーザーが知りたいことは何かを推測して、ニーズに合う提案を行うことが大切です。
例4:ページビュー数が多く、離脱率が高いページに施策を当てる
ページビュー数が多いページは、一般的に多くの人が訪れるぶん離脱率も高くなりがちです。しかし離脱の原因に手を当てることで、一定の離脱を防止できる可能性があります。次のページに進みさえすれば離脱が少ない場合は、Webサイトの成果を大きく底上げできるかもしれません。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、離脱の原因となる仮説をいくつか考えて、同一フェーズ内のパターンでメッセージを出し分けることで原因を特定し、対策することが可能です。
例5:同一ディレクトリ内で傾向の違いを見る
商品詳細ページなど、同一のディレクトリ内に同じ種類のページが複数ある場合もツリーマップで施策のヒントを得られることがあります。例えば、特定の商品だけ離脱率が高い場合は、そのページだけに存在するフリクション(引っかかり)がある可能性があります。逆に、特定の商品だけ離脱率が低い場合は、なぜそのページだけ差があるのか、ほかのページとの違いを考えて、良い点を横展開することでディレクトリ全体の成果を底上げすることも可能です。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、フリクション(引っかかり)が発生していると考えられるポイントにシナリオを当てることで、そのページ特有の問題を解消できます。
例6:PCサイトとスマートフォンサイトの違いを見る
PCサイトとスマートフォンサイトのツリーマップを見比べて、スマートフォンサイトのフリクション(引っかかり)ポイントを見つけるという方法もあります。例えば、PCサイトではページビュー数が多いのにスマートフォンサイトでは低いページがある場合、ページにはニーズがあるにもかかわらず、スマートフォンサイトではたどり着きにくい構造になっている可能性があります。また、スマートフォンサイトで突出して離脱率が高いページがある場合は、導線に改善の余地があるかもしれません。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合は、どこで導線が途切れているのかの仮説を立てて、適切な誘導を行うといった対策が考えられます。
例7:時期の違いを見る
別の期間を設定してそれぞれツリーマップを書き出すことで、時期による違いを視覚的に把握できます。季節商品でユーザーの行動が大きく変わるECサイトの場合は、シーズン中のツリーマップと平常時のツリーマップを両方書き出して見比べましょう。シーズン中と平常時に訪れるユーザーのニーズが異なるのであれば、当てるべき施策も異なるからです。
Sprocketのシナリオ施策を行う場合も、シーズン中と平常時はフェーズで期間を分けて運用するのがおすすめです。例えば「母の日」ニーズで1年に1回Webサイトを訪れるユーザーと平常時のユーザーが同一フェーズ内に交ざると、効果を正しく計測できなくなってしまいます。
例8:本来の想定とのギャップを見つける
ここでご紹介した活用例以外にも、「ツリーマップ:CVR」と「ツリーマップ:離脱率」で共通の見方として「本来の想定どおりになっているか」という視点があります。「本来離脱してほしくないページで離脱していないか」「コンバージョンしてほしいページのコンバージョン率が低くないか」という具合です。
想定したとおりの状態になっていない場合は、アクセス解析ツールも併用してギャップの原因を探りましょう。原因の仮説が立てられたら、Sprocketのシナリオで仮説を検証しながらギャップの解消を図ります。
ツリーマップの見方
ツリーマップは、HTML形式で書き出されます。HTMLファイルをダブルクリックするか、ブラウザーにドラッグしてHTMLファイルの内容を表示しましょう。
ツリーマップ:CVR
「ツリーマップ:CVR」の場合、次のような表示のHTMLファイルが書き出されます。左側がPCサイト、右側がスマートフォンサイトを表しています。
Webサイト内のページはディレクトリとページごとに区切られています。長方形の大きさは、ページビュー数に比例しています。大きな長方形ほどページビュー数が多いページ(ディレクトリ)ということです。また、色の濃さはコンバージョン率を表しており、コンバージョン率が高いページほど、濃い色で表示されます。
マウスポインターを長方形の上に合わせると、そのページの詳細情報がポップアップで表示されます。ディレクトリをクリックすると、そのディレクトリ内の情報へと深掘りすることができます。
全体を眺めて「ページビュー数が多いのはどこか」「コンバージョンに寄与しているページはどこか」「PCサイトとスマートフォンサイトでどのような差があるか」を確認しましょう。
また、青い線で囲まれているページは、Sprocketのシナリオが表示されているページを表しています。どのページでシナリオを表示しているかを、視覚的に確認可能です。
ツリーマップ:離脱率
「ツリーマップ:離脱率」も基本的な見た目は同じです。「ツリーマップ:CVR」との違いは色の付き方で、こちらはページの離脱率で色の濃さが区別されています。色が濃いほど「離脱率が高い」ことを表し、「最後に閲覧したページ」であることがわかります。
「ツリーマップ:CVR」と同様に、長方形にマウスポインターを合わせれば詳細が表示され、ディレクトリをクリックするとディレクトリ内の情報を確認できます。
離脱率は、PCサイトとスマートフォンサイトで違いが出ることが多いので、左右のツリーマップを見比べてみましょう。Sprocketのシナリオが表示されているページが青い線で囲まれているのも、「ツリーマップ:CVR」と同様です。