Sprocketは、シナリオのフェーズに含まれるパターンごとの成果をA/Bテストで分析します。ここでは、Sprocketの管理画面におけるシナリオ成果の集計基準と、データ反映タイミングについて説明します。
目次
シナリオが開始される条件
Sprocketのシナリオは、以下の条件を両方満たした場合に開始されます。ユーザーがシナリオ内のどのパターンに割り振られるかは、シナリオが開始するタイミングで判定されます。
- ユーザーが「セグメント条件」を満たす
- [シナリオ編集]画面の[シナリオ開始条件]を満たす
[シナリオ開始条件]を複数回満たした場合はどうなる?
[シナリオ開始条件]に設定されたページのURLを複数回表示した場合は、初回の条件合致の際にユーザーがどのパターンに該当するかが割り振られます。開始条件を複数回満たしたからといって、そのたびにパターンが割り振りし直しになるわけではありません。
なお、毎回ポップアップが表示されるかどうかは[シナリオ表示頻度]の設定により変わります。
同じセッション内で複数のシナリオがあたった場合はどうなる?
それぞれの[シナリオ開始条件]を満たせば、1人のユーザーに対して複数のシナリオが並行して同時に進行します。そのユーザーがどのパターンに割り振られるかは、シナリオごとに異なります。
例えば、シナリオAで非表示パターンに割り振られたユーザーが、別のシナリオBでは表示パターンに割り振られることもあります。
シナリオ成果(KPI/KGI)の集計
シナリオの成果は、すべてユニークユーザー単位で集計されます。「シナリオの対象となったユーザーが何人で、そのうち何人がKPI/KGIを達成したか」という形です。ユーザーの定義について詳しくは「ユーザー数の考え方について」を参照してください。
データの集計期間
Sprocketでは、シナリオが開始してから14日間を「シナリオの効果がある期間」として定義しています。例えば、あるシナリオの対象となったユーザーがその場ですぐにコンバージョンしなくても、ポップアップのメッセージが態度変容を促し、後日コンバージョンに至る場合があります。最終的にコンバージョンに至ったかどうかを計測するため、14日間を計測期間としているわけです。
KPI/KGIの達成ユーザーは、シナリオ開始日を起点として次の基準で集計されています。
ユーザーの種類 | 基準 |
---|---|
KPI達成ユーザー | 各フェーズでパターンが表示されてから14日以内、かつ、当該フェーズ期間内(フェーズ開始日から終了日の14日後まで)にKPIに設定した行動データが計測されたユーザーをKPI達成ユーザーと判定します。 |
KGI達成ユーザー | 各フェーズでパターンが表示されてから14日以内、かつ、当該フェーズ期間内(フェーズ開始日から終了日の14日後まで)にKGIに設定した回数基準を満たす行動データが計測されたユーザーをKGI達成ユーザーと判定します。 |
コンバージョンの集計基準
初回のシナリオ表示から14日以内にコンバージョンすると、管理画面上では初回にシナリオが表示された日の成果としてさかのぼってカウントされます。期間内に何回Webサイトを訪れても、シナリオ対象者数としてカウントされるのは1人のみです。
例えば、初めてシナリオが表示された後、7日後に再訪問してシナリオが再表示され、18日後にコンバージョンした場合は、計測期間の14日間を超えているのでコンバージョンとしてカウントはされません。「初回のシナリオ表示から14日以内にコンバージョンしたかどうか」のみが集計されます。
フェーズ終了日以降もKPI/KGIの数値は変動する
Sprocketでは、シナリオの対象となった日から14日間のコンバージョンをKPI/KGIとして計測しています。従って、あるユーザーがフェーズの最終日にシナリオの対象者となった場合、フェーズ終了後も14日間はKPI/KGIの数値が変動する可能性があります。直近2週間の数値は変動する可能性があることに注意してください。
期間内にフェーズが切り替わった場合はどうなるの?
1人のユーザーが14日の期間内に新しいフェーズでもシナリオの対象となった場合、そのユーザーの行動は古いフェーズではなく、新しいフェーズのKPI/KGIとしてカウントされます。
例えば、フェーズ1でシナリオの対象となったユーザーが14日以内にWebサイトを再訪し、新たにフェーズ2でもシナリオの対象となった場合、その後に発生したコンバージョンはフェーズ2のKPI/KGIとしてカウントされます。
ただし、期間内にフェーズ2に切り替わった場合でも、そのユーザーがフェーズ2でシナリオの対象とならなければ、発生したコンバージョンはフェーズ1のKPI/KGIとしてカウントされ、フェーズ2のKPI/KGIには影響がありません。
複数回表示するシナリオの場合は?
[シナリオ表示頻度]で、同じユーザーに複数回同じシナリオを表示する設定にしている場合、KPI/KGIとしてカウントされるのは「初回のシナリオ開始から14日間の行動」です。
例えば、1人のユーザーに毎日同じシナリオを表示している場合、初回から14日を過ぎてコンバージョンしても、KPI/KGIとしてカウントはされません。シナリオが再表示されることで計測期間が延長されることはありませんので、ご注意ください。なお、この仕様は[KPI/KGI結果]画面と[ステップ分析]画面で共通です。
iOS・iPadOS・macOSの場合は再来訪で7日間から最大14日間に延長する
AppleのiOSやiPadOSの各ブラウザー、macOSのSafariの場合は、ITPにより7日間でファーストパーティCookieを含むブラウザーストレージが削除されます。しかし、7日以内にユーザーが再来訪して何かしらのインタラクションを行えば、その時点から7日間にデータの保存期間が延長されます。その場合も、SprocketでKPI/KGIとして計測するのは初回シナリオ表示から最大14日間です。
ITPについて詳しくは「ITPが接客に与える影響について」をご覧ください。
管理画面へのデータ反映タイミング
データは前日23:59までの結果をバッチ処理で集計した後、翌日の午前中に管理画面に反映されます。そのため、シナリオを公開した直後のデータは翌日まで確認できません。管理画面に表示される数値は、前日までの累計値になります。