ECサイトにおける「カゴ落ち」は重要な課題です。Sprocketではカゴ落ちを防止する鉄板のシナリオがいくつもありますが、細かい設定はWebサイトごとに調整する必要があります。ここでは、表示秒数を調整したことで改善に転じた事例をご紹介します。
なぜカゴ落ちするのか?
あるECサイトでは、カートに商品を投入した後、購入に至らずそのまま「カゴ落ち」してしまう課題がありました。カゴ落ちは、売り上げに直結する重要な問題です。Webサイトの構成も踏まえて、なぜカートページから移動してしまうのか、そしてなぜ移動したページから戻ってこないのかという原因を探り、改善に取り組みました。
声かけの秒数で購入完了率が改善
仮説はシンプルで、カートページから離脱しているユーザーは「不明なことや不安なことがあり、それを解決するためにほかのページに移動して、そのまま離脱している」というものです。
仮説が正しければ、ユーザーが不安に思っていることをカートページで案内するのが有効です。「ユーザーはカートページで何か考え事をしている」という仮説のもと、考え事を妨げないように最初はページ表示から10秒後に「お困りですか?」とFAQを案内するシナリオを実施しました。
しかし結果は思うような改善につながらず、20秒後も試してみましたが結果は変わりません。そこでSprocketの社内ツールでカートページの滞在時間を詳しく調べたところ、中央値が20秒であることがわかりました。
つまりこのWebサイトでは、20秒後ではすでにページを離脱してしまっている可能性が高く、もっと早く案内する必要があったのです。そこで表示タイミングを5秒後に設定すると、改善の傾向に転じました。
- シナリオの目的:不安払拭・購入促進
- 表示ページ:カートページ
- 表示のタイミング:ページ表示から5秒後に表示
- セグメント条件:なし
最適な声かけのタイミングを見きわめる
扱う商材やWebサイトの作りによっても、ユーザーが不安に思う内容やタイミングなどの心理は異なります。今回の例では早めに声かけをするのが有効でしたが、すべてのWebサイトで同じタイミングがベストとは限りません。自社サイトの中で、ユーザーがいつ、どのような悩みを感じているのか。タイミングをチューニングするだけで、大きく数値が改善することもあるのです。